Arduinoで自作HUD⑦ コンバイナを作ったけど失敗した

前回はArduinoのケース・シールド・本番の配線を済ませていた。残る作業は虚像を投影させるコンバイナの制作。手始めにアクリルを切り出してみる。アクリルの切断は専用のアクリルカッターで溝を掘り、溝を支点として一気に力を加えればシャープに切り離すことができる。

切ったままのアクリルをそのまま用いてもいいんだけど、曲面になるように加工してレンズ効果を持たせて少しでも投影距離を伸ばしたい。曲面加工はスカルピー焼成に使っているオーブントースターで温めて、アクリルが柔らかくなった頃を見計らって取り出して曲げるようにした。

ここまで曲げると虚像がまともに投影できなくなってしまう。曲げる量はほんの少し、一見すると曲がってるかどうか判別できない程度でいい模様。

これが成功パターン。極わずかしか曲がっていないけど、LEDディスプレイの数字を投影させてみると狙い通りレンズ効果が出て虚像感が倍増してくれた。やったぜ。

そして曲げたアクリルをハーフミラー化させるべく、自動車用のミラーフィルムを水張りした。

3Dプリンタで出力したユニット一式。このユニットに反射用のミラーとハーフミラーを設置する。ハーフミラーは角度が調整できるように設計した。

組付けて完成。実際に車に持ち込んでテストしてみよう。

実際に虚像を投影してみると、虚像としての振る舞いは素晴らしく、自分の目の位置から4〜5m先に数字が浮かび、これは運転中の視認性良すぎだろ…と興奮した。しかし、ユニットの設計が良くないせいで数字を投影する高さが写真の位置から上に調整できない。ハーフミラー・反射用ミラーの角度、上方のLEDユニットの前後位置、それぞれが丁度の場所で決まらないと虚像の見え方が悪く、なかなか調整がシビアだ。他にもハーフミラーを挟んでいるアームの存在感が強すぎてうざったい。ハーフミラーの透過率が低すぎるのも気になった。

・反射用ミラーの角度を調整できるようにする

・ハーフミラーのアームを目立たないようにする

・ハーフミラーの透過率を上げる

「あと少し」がなかなか仕上らない。GIGAZINEでスマートフォンを用いたHUDのキックスタータープロジェクトが紹介されていたりして、こんな面倒臭い方法を取っている自分の事が馬鹿らしくなってくるけど、DIYの精神は試行錯誤にあると思うのでめげずにゴールまで進みたい。